●HOME ●自転車は楽しいよ  いろいろな自転車  自転車の乗りこなし
 自転車と道路  サイクリングの実際  自転車旅とGPS  自転車と健康
 海外cycling塾 ●近場のサイクリング  国内自転車旅行  海外自転車旅
●お役立ちリンク


海外自転車旅

 サイクリングの究極の楽しみが自転車を持ち出しての海外サイクリングです。乗り慣れている自転車を同じ飛行機で運ぶのがいいのですが、最近は機材の中型化で「自転車は有料」とする航空会社が多いようです。料金は航空会社毎に異なるので、よく調べて利用するのが基本です。
 海外サイクリングは国内のサイクリングと比べて、いくつか留意する点があります。まとめてみると、次の7カ条になります。

       海外自転車旅7カ条
 旅行用自転車を入手して乗り慣れておく
 旅行用品は、貴重品以外すべて自転車の前後のバゲージに入れ、ザックなどは背負わない。貴重品は「ベスト」のポケットに入れる。できれば経験者と十分走行練習をしておき、パンクなどの多少のメンテナンスが出来るよう慣れておく。自転車の海外持ち出しは、分解・梱包を慎重に。現地レンタルも可能だが、サイズやバッグの取付など十分チェックする。
 体力づくり
 連日、数10キロ走る…時には100キロ以上走らなければならないこともあるので、十分時間をかけて体力を作りあげておく。基本的に、自転車旅は山旅より安全で、身体への負担も軽い。
 その国の交通ルールを守る
 外国での自転車走行は、日本よりも安全に走れるところが多いがあくまで自己責任。交通事故を起こさない、転倒しないよう慎重に走る。早発ち、早着を心がける。レースでない自転車旅は保険が効くので、必要・十分な保険に加入しておく。
 宿泊施設を利用する場合は、荷物も少なくてすむ
 予約すると行動が制約され、事故につながる場合があることに留意。日程に余裕をもって到着した現地の街などで宿を探すのが基本。キャンプできる体力と気力がないときは、B&Bやホステル利用と割り切る。
 服装
 自転車の連日の長距離走はスポーツそのもの。基本はレインウエアを含めアウトドア用の装備を用意する。足回りはチェーン巻き込み対策が必要。着替えは最小限に抑え、こまめに洗濯する。手袋・ヘルメットは必需品、紫外線対策も重要。
 地図 ナビゲーション
 ガイドやリーダーがいる場合は別として、基本的には事前のルート作成と、走行時の地図・コンパスが必要。著名なルートなら専用地図も海外で売られている。GPSを利用すれば正確で効率的なナビができる。サイクルメーターは走行計画や距離の把握などに便利で、これも必需品。
 草の根交流
 自転車旅の醍醐味は、異国の文化や現地の人々との交流にある。言葉の壁を乗り越える積極的な草の根交流に心掛ける。

 

海外サイクリングの留意点

 そこで、7カ条のなかの主な点や、その他の問題について具体的に触れてみます。

 7カ条で触れている「旅行用自転車」について。 伴走車を使える場合は別として、旅行中にバゲージ類を自転車に簡単に着脱できること、雨や雨上がりでも泥はねしないこと、ある程度堅牢で故障がすくないこと…これらが旅行用自転車には必要で、代表格は「ランドナー」と呼ばれているタイプや、MTBの旅行向け仕様もあります。

 次に、自転車の航空機への搭載です。航空機のバゲージルームは低圧なので、タイヤのバーストを防止するために事前のエアー抜きが必要です。また、預けるバゲージが自転車であることを事前通告しておけば、貨物室での「下積み」を免れる場合があります。しかし、その場合でもバゲージの取扱いはかなり乱暴なので、輪行袋に収納する前処理段階でペダルをはずし、ディレーラー(ギヤ周り)や車輪をはずした車輪受け(エンド)の保護など、念入りなプロテクトが必要です。当然、袋の表面には「Fragile」(壊れ物注意)などの表示も必要でしょう。

 到着空港では特別扱いを依頼した自転車ですから、一般のベルトコンベヤとは別の渡し口から出てくる場合が多いようです。ヨーロッパなどでは、入国審査をすませてから空港で自転車を組み立て、そのまま地下鉄に自転車を積み込んで市中心部に行けるところがほとんどです。日本の輪行スタイルはかなり特殊ですが、長距離列車に自転車を搭載できる車両が連結されていない場合もあるので、その場合は「輪行」スタイルが効果的です。輪行袋ごと一般バゲージと同様に客室に持ち込みます。いづれにしろ、旅行先のサイクリング事情や交通機関と自転車の関係などを事前チェックが必要です。
 

   ボクの海外自転車旅
 北ドイツ-オランダ   (2004年6月)
 チェジュ島一周    (2004年10月)
 ドナウ源流-ウィーン  (2005年5月)
 アイルランド周遊  (2006年7月)
 イギリス南北横断  (2007年7月)
 ベルギー オランダ (2007年7月)
 北欧3国巡り    (2008年7月)
 スペイン巡礼路   (2009年4月)
 トルコ西部      (2009年9月)

 ブルガリア セルビア (2010年6月)
 ポーランド巡り     (2010年6月)
 バルカン西部-中欧 (2011年6月)
 イタリヤ縦断     (2012年4月)
 キューバ縦断      (2013年1月)
 韓国、38度線ツアー(2013年10月)
 台湾放浪      (2014年02月)
   
   
   

自転車の海外持出し法

 自転車は機内の貨物室のなかでつぶされ、部品が曲がってしまったなどという話が多いようです。外国の航空会社の場合、とくに乱暴に扱われるというのは一般の旅行でもよくあることです。
 一般旅行者の場合、貨物室に託送できる荷物は、「エコノミー」の場合、一人20kgまで無料だとしても、自転車は別扱いで有料のところが増えています。ボクの場合は、自転車本体にリアキャリアやライトなどを取り付けているので現在の重さは13.5kg。リアバッグは3.3kg。それに工具の重量約1kgも入れて総重量は18kgです。
 自転車の梱包は乱暴な荷扱いでも壊されないよう、厳重にする必要があります。痛めやすい個所は、フォークの先の「エンド」と呼ばれるところと、後輪のギア(ディレーラー)部分です。まずハンドルをはずし、前輪タイヤを外さないでフォークとともに抜いて、それをディレーラーをはさむかたちで後輪に重ねるように3個所をベルト固定します。後輪タイヤもつけたままのほうがショックを吸収してくれるし、空気圧は低めにしてバーストを防ぐようにします。ハンドルはトップチューブにかけてテープで固定します。もちろんペダルは輪行袋を破ることがあるので、外しておきます。タイヤを重ねる部分を着替えなどで保護、フレームやブレーキの角にも保護材を当てます。輪行袋に入れる際、その内側と外側をエアキャップで包みます。最後に「Fragile」などのタグを張って、宅急便で出発空港まで事前に送っておくと便利です。

 機内に持ち込むのはフロントバッグとベストのみで、危険物と見なされる工具類はもちろん、衣類などを入れたリアバッグも自転車と一緒に荷造りします。
 途中のトランジットによる自転車の積みかえを避けて、なるべく直行便を選ぶのがベストです。

現地レンタル自転車のこと

 海外サイクリングの場合、現地でレンタル自転車を借りることもできます。またレンタル自転車とセットでサイクリングを行っている専門のツアー会社もあります。当然、宿の手配やコースガイド、そしてクルマによる旅行用品のデリバリサービスもあり、バゲージを自転車に積まないでサイクリングを楽しめるところもあります。

 しかし、レンタル自転車は日本のものと異なり、もっとも重要な自転車のサイズがフィットしにくい(特に小柄の人の場合)ことや、ブレーキシステムの相違、軽快なスポーツタイプのレンタルが少なく、サイクルメーターがついていないので走行距離のカウントができないなどの事情もあります。現地でレンタルして自分のバゲージを積載する方法がかなり困難である場合もあります。
 したがって日本で使い慣れている自転車を輪行方式で持ち出すのがベストです。またフォールディングバイクも選択肢の一つですが、旅行用自転車としての性能が十分でないことや、タイヤが小径のため石畳の走行に向いていないことなどを考慮する必要もあります。

海外サイクリングの手荷物支度

 荷物は日本国内の3〜4日の旅支度の延長で、できる限り少なくし、フロントバッグに収めてしまい、リアには輪行袋とウエア類を振り分け式のバッグに収納します。
 パスポート、現金などの貴重品はウエストバッグに入れないで、直接ベストのポケットに入れるようにするほうが腰回りが楽で、防犯対策にもなります。支払いはクレジットカードと現金を使い分けます。というのは、観光ルートをはずれる場合が多く、現金払いを求められることが多いからです。カメラや記録関係の電子機器類も最小限にしてフロントバッグに収めます。


連続して走れる体力を

 海外サイクリングでは、一日に走る距離を例えば50〜70kmまでなど短めに抑えることをお奨めします。そして観光スポットをうまく組み入れてください。1日に走る距離を長くとると、走ってばかりで観光するひまもなかったということになりかねません。一般の海外旅行が観光スポットから次のスポットへと点から点を結んだ旅行パターンになるのにたいして、サイクリングは点ではなく、連続した線の旅行になりますから、日本人を初めて見かけたという地元の人達とふれ合うこともできるなど、新鮮な旅が体験できます。
 また海外サイクリングの場合は、例えば1週間の間、毎日連続して走るというようなスタイルになりますので、連続して数日間サイクリングができる体力または脚力が必要です。脚前に応じて大きな観光スポットである大都市などで、観光を兼ねた休養日を設けるのもいいかもしれません。ともあれ、日本で少なくとも5日間以上連続して毎日数10kmのサイクリングを行い、脚前に自信をつけてから海外にチャレンジされることをお奨めします。

まずはサイクリング先進国へ

 海外で初めてサイクリングするのは、サイクリングが盛んなドイツ、オランダ、イギリスなどがお奨めです。例えばドイツの有名なサイクリングコースは中高年のサイクリストたちにとても人気です。日本でいえば中高年登山ブームといった趣でしょうか。
 ドイツで、何故、サイクリングが大衆化しているのでしょうか。それはドイツの自転車愛好家による日本の「JAF」に例えられているサイクリング全国組織が存在しているとともに、政府や自治体に働きかけたりして、自転車を安全にたのしく走らせることができる環境が整備されているからです。
 ドイツの場合は、こうした運動のお陰でサイクリスト向けの「B&B」である「ペダル&ベッド」が全国的にネットワークしているので、安い価格で旅行を続けることができます。これは上述の組織がサイクリングルート上の個人経営の日本の民宿のような宿泊施設を認定しているもので、要所、要所のインフォメーションセンターで今夜の宿が予約できます。ですから天候に左右されやすいサイクリングの宿を日本で事前予約する必要もありません。ただし最盛期の8月は相当、込みあいますので、場合により空いている宿のある村まで走らなければならないこともあるでしょう。

 ドイツ国内においては、180を上回るサイクリングの遠距離ルートが紹介されており、その総延長は38.000kmにおよんでいます(1999年2月現在)。
これらのサイクリングルートは、地域の自転車愛好家団体が、走って楽しいところをピックアップし、案内表示が完備していますので安心して走ることができます。ただしドイツやオランダの場合は全国的にサイクリング網が発達しているので、逆に間違ったコースに迷い込んでしまう場合があり、ルート確認は慎重に行う必要があります。

 地図もサイクリングが盛んなお国柄のことですから、主要サイクリングコース毎にルート、サブルート、坂道表示、観光スポット、宿情報など至れり尽くせりのとても見やすいサイクリング情報満載の冊子タイプのマップが100ルート以上にわたって販売されており、どのルートを走ろうかと選択に迷ってしまうほどです。インフォメーションセンターや町の本屋で手に入れることができます。地図とコンパスを組み合わせて使えば、目的地に向かってサイクリングをすることは、ガイドがなくても可能で、ドイツの中高年夫婦はほとんどカップルだけで走っています。まあ、云ってみれば、ドイツの自転車版お遍路というところでしょうか。


ドイツの自転車道路

 自転車を交通手段の一翼を担うものとして、正統に位置づけている国としてドイツやオランダが知られています。これらのほとんどの都市では、自転車が安全に走ることのできる環境が整備されています。幅の広い歩道がある場合には、その車道寄りに自転車専用のレーンが設置されてあり、歩行者とは区分されていますのでクルマと歩行者の双方に気をつかうことなく走ることができます。
 広い歩道がない場合には、車道に自転車専用レーンが設けられていることはいうまでもありません。しかも日本で見られるように、荷下ろしなどのクルマが駐車していて、自転車の通行を妨害しているという光景も見かけません。かなりの高額の駐車違反の反則金が課せられるからだと云われています。
 交差点では、自転車専用の信号機が設置されているなど、自転車はLRT(路面電車)とともにクルマに優先して交差点を渡ることができます。
 サイクリング道路はそれぞれの地域の特性を活かしたデザインとして整備されており、森のなかは細かな砂利舗装がされていたり、田園地帯は農道と兼用のアスファルト舗装だったりと、既設の生活道路をうまくつないでサイクリング道路としています。案内標識はもちろん完備されており、行き先だけでなく、フェリー乗り場の案内や、フェンスのない川縁などでは転落注意の標識まであるといったぐあいで、いたれりつくせりです。
 さらに驚くことは、サイクリング道路の整備の質の高さです。
特にドイツの場合は、日本によくみられる穴ぼこ道といったものにお目にかかることはまずありません。アスファルトまたはコンクリート舗装で整備されているのはもちろんのこと、仮に補修されていても自転車で走っていて、その継ぎ目からショックを感じることはありません。サイクリング道路外への自転車の逸脱にも配慮があり、段差なしの舗装から芝生へとつながっており、安全面での実に細やかな配慮もなされていて、お見事というほかありません。
 これらは、ドイツの場合、「社団法人・一般ドイツ自転車クラブ」(Allgemeiner Deutscher Fahrrad-Club e. V. 略称ADFC)という全国団体が地域ごとに支部組織を通じて地域の町や村に働きかけて整備されてきたものです。ここに、国民の健康と安全なスポーツの発展を願う、真の豊かさを感じるとることができます。



TOP